自分から身を引いたはずなのに、見つかってしまいました!~外交官のパパは大好きなママと娘を愛し尽くす
第3章
クリスマスは幸せいっぱいに過ごせた。
私は元旦に宮原家に伺うことになり、前々日の十二月三十日に手土産を買いに来た。百貨店の地下、銘菓品コーナーは年末年始のお使い物を購入しに来たお客さんでいつも以上に賑わっている。華やかなパッケージや甘い香りが漂い、心が弾むような雰囲気だ。
「何にする?」
「何にしようか……」
私の問いに美緒は少し考え込むように目を細め、棚に並ぶお菓子を眺める。目の前には、色とりどりの和菓子や洋菓子が所狭しと並んでいる。美緒も彼氏の実家にお邪魔するらしいので、一緒に手土産を買いに来たものの、どれにしようか迷っている様子だった。
「明莉の彼氏の実家は洋菓子がいいんでしょ? じゃあ、美味しいパティスリーの方がいいじゃない?」
「そっか、そうだね。そうしようかな」
美緒の提案を受け、素直にそうすることにした。
「私は何にしたらいいのか分からないから、同じにしちゃおうかなぁ」
「じゃあさ、ちょっと前に美緒と行ったパティスリーに行かない? 美味しかったよね、あそこの洋菓子」
美緒もどれにしようか悩んでいたようで、同じ物を買いに行くことになった。
「そうだね、そこにしようか! ついでにお茶しよう!」
「うん、美味しいケーキ食べたい!」
美緒の目がキラリと輝き、私も意見に賛成した。私も心の中でワクワクが膨らむのを感じる。少し前にオープンしたその洋菓子店は、イートインスペースもあり、初めて行った時もお茶をしてきた。思い出すと、甘いケーキと香り高い紅茶で過ごした楽しい時間が脳裏に浮かぶ。
「楽しみだね!」
手土産を選ぶ楽しさだけでなく、美味しいお菓子を食べながらの心温まる時間が待っていると思うと、自然と笑みがこぼれた。
「ちょっと! 違うわよ! こっちが三箱だったはずでしょ?」
「申し訳ございません。直ちに購入してきますので……!」
「早くして頂戴!」
私たちは百貨店の出口に向かって歩いていると、通りすがりに大きな声を出している白いロングコートを着た女性と二人のスーツを着た男性とすれ違った。
「わぁ……、家がお金持ちのお嬢様って感じがする」
「うん、二人はお付きの人っぽく見えるもんね」
男性二人は何袋もショップの紙袋を持ち、女性に従っているようだった。
「お嬢様だと買い物に来るにも付き人が一緒なんだね。羨ましいなぁ……」
「ドラマの世界みたいだよね」
私たちはすれ違ったお嬢様系の女性に圧倒されつつも、百貨店の外へ出た。
私は元旦に宮原家に伺うことになり、前々日の十二月三十日に手土産を買いに来た。百貨店の地下、銘菓品コーナーは年末年始のお使い物を購入しに来たお客さんでいつも以上に賑わっている。華やかなパッケージや甘い香りが漂い、心が弾むような雰囲気だ。
「何にする?」
「何にしようか……」
私の問いに美緒は少し考え込むように目を細め、棚に並ぶお菓子を眺める。目の前には、色とりどりの和菓子や洋菓子が所狭しと並んでいる。美緒も彼氏の実家にお邪魔するらしいので、一緒に手土産を買いに来たものの、どれにしようか迷っている様子だった。
「明莉の彼氏の実家は洋菓子がいいんでしょ? じゃあ、美味しいパティスリーの方がいいじゃない?」
「そっか、そうだね。そうしようかな」
美緒の提案を受け、素直にそうすることにした。
「私は何にしたらいいのか分からないから、同じにしちゃおうかなぁ」
「じゃあさ、ちょっと前に美緒と行ったパティスリーに行かない? 美味しかったよね、あそこの洋菓子」
美緒もどれにしようか悩んでいたようで、同じ物を買いに行くことになった。
「そうだね、そこにしようか! ついでにお茶しよう!」
「うん、美味しいケーキ食べたい!」
美緒の目がキラリと輝き、私も意見に賛成した。私も心の中でワクワクが膨らむのを感じる。少し前にオープンしたその洋菓子店は、イートインスペースもあり、初めて行った時もお茶をしてきた。思い出すと、甘いケーキと香り高い紅茶で過ごした楽しい時間が脳裏に浮かぶ。
「楽しみだね!」
手土産を選ぶ楽しさだけでなく、美味しいお菓子を食べながらの心温まる時間が待っていると思うと、自然と笑みがこぼれた。
「ちょっと! 違うわよ! こっちが三箱だったはずでしょ?」
「申し訳ございません。直ちに購入してきますので……!」
「早くして頂戴!」
私たちは百貨店の出口に向かって歩いていると、通りすがりに大きな声を出している白いロングコートを着た女性と二人のスーツを着た男性とすれ違った。
「わぁ……、家がお金持ちのお嬢様って感じがする」
「うん、二人はお付きの人っぽく見えるもんね」
男性二人は何袋もショップの紙袋を持ち、女性に従っているようだった。
「お嬢様だと買い物に来るにも付き人が一緒なんだね。羨ましいなぁ……」
「ドラマの世界みたいだよね」
私たちはすれ違ったお嬢様系の女性に圧倒されつつも、百貨店の外へ出た。