自分から身を引いたはずなのに、見つかってしまいました!~外交官のパパは大好きなママと娘を愛し尽くす
第4章
二月の終わり。本当は元気だけれど、流行病に感染して体調が悪いと言って、絢斗さんに会うのを拒んでいた。流行病にしておかないと、絢斗さんが自宅まで会いに来てしまうかもしれないから。万が一、絢斗さんが会いに来てくれたとしても、幸い、自宅の場所を教えてもいなかったので、このまま逃げ切れると思う。
心の中では彼と過ごすことを望んでいたが、体調の不調を理由に逃げ込んでしまった。それに、絢斗さんから届く何度もの連絡を見つめるたびに、彼の期待を裏切りたくない気持ちと、自分の弱さが交錯していた。
単調な返信を繰り返すたびに、彼との距離がどんどん広がっていくのを感じ、胸が締め付けられる思いだった。けれど、離れるのが正解だと自分に何度も言い聞かせた。
会うのを拒んでいるうちに、絢斗さんが海外出張に行く日が迫ってきた。彼の姿を見ることなく、時だけが無情に過ぎ去っていく。そんな時、私の体調は本当に悪くなり、美緒に助けを求めることになった。
「胃がムカムカして気持ち悪くて……胃腸炎かな?」
そう伝えた時、感染予防のためにマスクをした美緒の顔は眉毛が下がり、不安が滲んでいるのを感じた。私は喉が渇くのに、水さえも受け付けなくなってしまった。
「胃腸炎だったら気持ち悪いのだけじゃなくて、お腹にもくると思うよ? でも、お腹は痛くないし下してもいないんでしょ?」
問いかけてくる美緒の言葉に、私は頷く。何をしていても気持ちが悪く、ベッドに横たわりながら、ただ受け答えをするだけだった。
美緒は仕事の合間を縫って、ペットボトルの水や経口補水液を買って届けてくれた。
「脱水症状になっちゃうから、少しずつでも経口補水液を口に入れてね。ストローだと吸い込みすぎて飲めないかもしれたいから、グラスに注いでスプーンで掬って舐めてもいいんじゃない?」
美緒の気遣いに、私は感謝の気持ちでいっぱいになった。
「吐き気が治まった時に食べれるように、お粥作っておくね」
美緒の声は、私の心を少しでも軽くしてくれた。彼女の優しさに包まれながら、私は布団にくるまる。ただじっとしていることしかできなかったが、美緒が側にいてくれると思うと心強くなった。
心の中では彼と過ごすことを望んでいたが、体調の不調を理由に逃げ込んでしまった。それに、絢斗さんから届く何度もの連絡を見つめるたびに、彼の期待を裏切りたくない気持ちと、自分の弱さが交錯していた。
単調な返信を繰り返すたびに、彼との距離がどんどん広がっていくのを感じ、胸が締め付けられる思いだった。けれど、離れるのが正解だと自分に何度も言い聞かせた。
会うのを拒んでいるうちに、絢斗さんが海外出張に行く日が迫ってきた。彼の姿を見ることなく、時だけが無情に過ぎ去っていく。そんな時、私の体調は本当に悪くなり、美緒に助けを求めることになった。
「胃がムカムカして気持ち悪くて……胃腸炎かな?」
そう伝えた時、感染予防のためにマスクをした美緒の顔は眉毛が下がり、不安が滲んでいるのを感じた。私は喉が渇くのに、水さえも受け付けなくなってしまった。
「胃腸炎だったら気持ち悪いのだけじゃなくて、お腹にもくると思うよ? でも、お腹は痛くないし下してもいないんでしょ?」
問いかけてくる美緒の言葉に、私は頷く。何をしていても気持ちが悪く、ベッドに横たわりながら、ただ受け答えをするだけだった。
美緒は仕事の合間を縫って、ペットボトルの水や経口補水液を買って届けてくれた。
「脱水症状になっちゃうから、少しずつでも経口補水液を口に入れてね。ストローだと吸い込みすぎて飲めないかもしれたいから、グラスに注いでスプーンで掬って舐めてもいいんじゃない?」
美緒の気遣いに、私は感謝の気持ちでいっぱいになった。
「吐き気が治まった時に食べれるように、お粥作っておくね」
美緒の声は、私の心を少しでも軽くしてくれた。彼女の優しさに包まれながら、私は布団にくるまる。ただじっとしていることしかできなかったが、美緒が側にいてくれると思うと心強くなった。