幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】

第27話 熱

もう私を恋愛音痴、彼氏いない歴年齢とは呼ばせない。
出勤した朝一番、寿実(すずみ)に『私と逢生(あお)は付き合い始めました』と私は小さな声でそっと報告した。
周りに聞こえないくらいの小さな声でね?
それなのに―――

「おめでとうっ!とうとう逢生君と恋人同士になったのね!」

「ちょっ……ちょっと寿実!声が大きいっ!」

「おめでとうございますうっー!」

私と逢生が付き合ったことを報告すると寿実だけじゃなく、後輩まで喜んでくれた。
そして、遠くからは先輩達が感慨深げにうなずいている。
え?なにこれ。

「もう先輩に飲み会で男を持ってかれなくて済みますね!」

「被害者の会も解散よ!」

「やっと……やっとですか!長かった……」

なにが被害者の会よっ!
いつの間にそんなものが結成されてるわけ?
そのおかしな集団はどんな活動してるっていうのよ。

「あ、あのね、みんな……」

寿実はぽんっと私の肩を叩いた。
それもいい笑顔で。
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