幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
第36話 リサイタル
コンサートから数日後のことだった。
看病のお礼として、マンションのポストに梶井さんのリサイタルのチケットが入っていたのは。
ファンサービスとして海外に行く前にカフェでリサイタルを行うらしいと逢生から聞いた。
海外に行ってしまえば、しばらく日本には帰ってこれないそうだ。
逢生は『永住してほしい』なんて言っていた。
「すごいわね。首席チェリストだって。これ、私でも聞いたことがあるオーケストラの名前よ」
「そうだね」
逢生はコーヒーを飲みながら、興味なさそうにうなずいた。
「逢生。本当に一緒に行かないの?」
梶井さんのお別れリサイタルの当日、『行くな』と言い出すんじゃないのだろうかと思っていたのに余裕の顔で逢生は朝食のトーストをかじっていた。
珍しい。
仕事で疲れているのかもね。
昨日、陣川さん達と仕事で遅く帰ってきた逢生はまだ眠そうにしながら、りんごジュースをちびちびと飲んでいた。
「しばらく帰ってこれないって言ってたわよ?」
「梶井に興味ない」
まーたそんな強がり言っちゃって。
意識してるくせに。
じろっーと逢生を見えていたけど、動く気配はない。
看病のお礼として、マンションのポストに梶井さんのリサイタルのチケットが入っていたのは。
ファンサービスとして海外に行く前にカフェでリサイタルを行うらしいと逢生から聞いた。
海外に行ってしまえば、しばらく日本には帰ってこれないそうだ。
逢生は『永住してほしい』なんて言っていた。
「すごいわね。首席チェリストだって。これ、私でも聞いたことがあるオーケストラの名前よ」
「そうだね」
逢生はコーヒーを飲みながら、興味なさそうにうなずいた。
「逢生。本当に一緒に行かないの?」
梶井さんのお別れリサイタルの当日、『行くな』と言い出すんじゃないのだろうかと思っていたのに余裕の顔で逢生は朝食のトーストをかじっていた。
珍しい。
仕事で疲れているのかもね。
昨日、陣川さん達と仕事で遅く帰ってきた逢生はまだ眠そうにしながら、りんごジュースをちびちびと飲んでいた。
「しばらく帰ってこれないって言ってたわよ?」
「梶井に興味ない」
まーたそんな強がり言っちゃって。
意識してるくせに。
じろっーと逢生を見えていたけど、動く気配はない。