幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
第5話 幼馴染はチェロ奏者
重たい音が響く。
それは地の底からの唸り声みたいな音。
部屋を掃除し、換気しておこうと窓を開けたままだったのが悪かった。
「ちょっと!逢生!窓を閉めて練習しなさいよっ!」
心地よい私のお昼寝タイムを邪魔され、イライラしながら窓を開けた。
お隣から聴こえてくるのはチェロの音。
弾いているのは逢生なのはわかっている。
プロのチェリストだから練習でもしているのかもしれない。
それはいいけど、おじさんに作ってもらった防音設備バッチリな部屋で弾きなさいよ。
逢生のファンなら大喜びなんだろうけど。
雑誌にも載るくらいで、『クラシック界のプリンス』なんて呼ばれている。
なにがプリンスよ。
プリンスがもさもさ頭、グレーのパーカースウェット姿でチェロを弾かないでしょ!
しかも、嫌がらせみたいにこっちに向けて弾いてるし。
こっち向かなくても聴こえるわよ、その大音量。
そんな逢生とは生まれた時からのお隣さんで幼馴染というより、もはや姉弟。
手のかかる弟よ!
まったく!
「奏花に聴かせてあげてた」
そうねぇ……プロの演奏だもんね。
うわぁ、ありがたーいって違う!
それは地の底からの唸り声みたいな音。
部屋を掃除し、換気しておこうと窓を開けたままだったのが悪かった。
「ちょっと!逢生!窓を閉めて練習しなさいよっ!」
心地よい私のお昼寝タイムを邪魔され、イライラしながら窓を開けた。
お隣から聴こえてくるのはチェロの音。
弾いているのは逢生なのはわかっている。
プロのチェリストだから練習でもしているのかもしれない。
それはいいけど、おじさんに作ってもらった防音設備バッチリな部屋で弾きなさいよ。
逢生のファンなら大喜びなんだろうけど。
雑誌にも載るくらいで、『クラシック界のプリンス』なんて呼ばれている。
なにがプリンスよ。
プリンスがもさもさ頭、グレーのパーカースウェット姿でチェロを弾かないでしょ!
しかも、嫌がらせみたいにこっちに向けて弾いてるし。
こっち向かなくても聴こえるわよ、その大音量。
そんな逢生とは生まれた時からのお隣さんで幼馴染というより、もはや姉弟。
手のかかる弟よ!
まったく!
「奏花に聴かせてあげてた」
そうねぇ……プロの演奏だもんね。
うわぁ、ありがたーいって違う!