幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
第6話 私にとってのあなたは
コンサートのチケットは二枚。
私が誰を誘ったかと言えば―――
「奏花の友達でよかったって今日ほど思ったことはないわ」
「えっ!?友達でよかったって思ったの今日なの!?」
「そうよ」
なにその即答。
一緒にきたのは寿実だった。
『寿実にはいつもお世話になってるし、お礼もかねて』なんて思って誘ったわけですよ?
それがまさかの友達でよかった発言。
「奏花。とうとう幼馴染み君と付き合うことにしたんだ?」
「違うわよっ!お母さんに聴きに行けって言われたの」
席は二階席で全体をしっかりと見渡すことができる。
いい席なのかどうなのかさえ、わからないド素人な私はキョロキョロとあたりを見回して席に着いた。
まだ開演まで時間があるから、手にしていたパンフレットをぱらぱらとめくる。
そこには悪ガキじゃない三人がいた。
クラシック界の王子らしい三人。
前回のコンサートの様子だろうか。
花束をもらって微笑む渋木さん、目を細め、色っぽい顔でバイオリンを弾く陣川さん。
そして、どこか憂いを秘めたような顔をして弾く逢生。
私が誰を誘ったかと言えば―――
「奏花の友達でよかったって今日ほど思ったことはないわ」
「えっ!?友達でよかったって思ったの今日なの!?」
「そうよ」
なにその即答。
一緒にきたのは寿実だった。
『寿実にはいつもお世話になってるし、お礼もかねて』なんて思って誘ったわけですよ?
それがまさかの友達でよかった発言。
「奏花。とうとう幼馴染み君と付き合うことにしたんだ?」
「違うわよっ!お母さんに聴きに行けって言われたの」
席は二階席で全体をしっかりと見渡すことができる。
いい席なのかどうなのかさえ、わからないド素人な私はキョロキョロとあたりを見回して席に着いた。
まだ開演まで時間があるから、手にしていたパンフレットをぱらぱらとめくる。
そこには悪ガキじゃない三人がいた。
クラシック界の王子らしい三人。
前回のコンサートの様子だろうか。
花束をもらって微笑む渋木さん、目を細め、色っぽい顔でバイオリンを弾く陣川さん。
そして、どこか憂いを秘めたような顔をして弾く逢生。