幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
第15話 私の初恋
梶井理滉―――彼の奏でるチェロはその音色は彼の人生そのもの。
大人の女性を魅了する深みのある濃い音色。
彼の経験を物語っているようだ。
「―――って、コーヒーのCMかっ!」
音楽の雑誌に素敵な写真とともに載っているのは私の初恋の人である梶井さん。
チェリストであることがわかったから、どんな活躍をしているのか知りたくて仕事帰りに本屋に立ち寄った。
いつもなら、通り過ぎるだけの音楽の雑誌コーナー。
「たまたま表紙だったから、手にしただけで気になってるわけじゃないし……」
「気になっているんじゃないの」
「ぎゃっ!」
背後から声がして飛び上がった。
「す、寿実……」
「浮気?ねぇ。浮気なの?」
「違うっ!私は逢生と付き合っていないって言ったでしょ」
「ふーん。で、その人は?」
「私の初恋のお兄さんよ。偶然、引っ越し先のマンションで再会したの。だから少しだけ気になって調べていただけよ。ほんの少しだけね」
「初恋の人と再会なんてロマンチックね。でも、引っ越したって聞いたから、てっきり逢生君と付き合い始めたのかと思ったわ」
大人の女性を魅了する深みのある濃い音色。
彼の経験を物語っているようだ。
「―――って、コーヒーのCMかっ!」
音楽の雑誌に素敵な写真とともに載っているのは私の初恋の人である梶井さん。
チェリストであることがわかったから、どんな活躍をしているのか知りたくて仕事帰りに本屋に立ち寄った。
いつもなら、通り過ぎるだけの音楽の雑誌コーナー。
「たまたま表紙だったから、手にしただけで気になってるわけじゃないし……」
「気になっているんじゃないの」
「ぎゃっ!」
背後から声がして飛び上がった。
「す、寿実……」
「浮気?ねぇ。浮気なの?」
「違うっ!私は逢生と付き合っていないって言ったでしょ」
「ふーん。で、その人は?」
「私の初恋のお兄さんよ。偶然、引っ越し先のマンションで再会したの。だから少しだけ気になって調べていただけよ。ほんの少しだけね」
「初恋の人と再会なんてロマンチックね。でも、引っ越したって聞いたから、てっきり逢生君と付き合い始めたのかと思ったわ」