未亡人ママはスパダリ義兄の本気の愛に気付かない

龍のもうひとつの顔


龍が隣に越してきてからというものの、翔真は休日になるとよく龍の部屋へ遊びに行くようになった。

まだまだ父親が恋しい年頃だ。

きっと翔真は龍に父親の影を見ているのだろう。

椿も龍が来てから、色々と助けられている。

虫が出たときは捕まえてもらったり、パソコンの不調を直してもらったり・・・

昨日は天井近くにある電球が切れてしまい、その付け替えをお願いした。

「任せとけ。俺が高身長で良かっただろ?ははっ!」

龍はそう言いながら脚立に上がった。

男手があるってありがたい・・・それが今の椿の正直な気持ちだった。

けれど・・・それに甘えてしまっていいのだろうか・・・?

頼んだわけではなく、勝手に隣に越してきたのは龍の方ではあるけれど・・・
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