未亡人ママはスパダリ義兄の本気の愛に気付かない
幸せな写真
「ええと・・・どこに仕舞ったっけ。」
椿はクローゼットの中にあったはずの、翔真の育児日記を探していた。
ささむら保育園から配られたアンケートに、翔真が赤ちゃんの頃によく食べさせていた離乳食を書き込む欄があるからだ。
その育児日記には、翔真が生まれた日から三歳になるまでの記録が、細かく書かれてある。
しかし信が亡くなってからは、忙しい日々が続き、いつのまにかその記録は途絶えてしまった。
「あった!」
椿は目当てのノートを見つけ、そう声を上げた。
衣類を仕舞う為の透明なボックスタンスの中に、そのノートは収まっていた。
大学ノートの表紙に「翔真の日記」という題名が黒いペンで書かれている。
ペラペラとページをめくると、翔真が初めて言葉を発した日の喜びや、夜泣きをして眠れない日々のぼやき、熱を出した時にうろたえたことなどが、小さな文字で綴られてあった。
我ながらよく続いたな・・・
椿は笑みを浮かべながら、またページをめくった。