未亡人ママはスパダリ義兄の本気の愛に気付かない

あり得ないプロポーズ



「それで・・・話ってなんでしょうか?翔真が待ってるのであまり長くはいられないんですけど。」

優雅にコーヒーを飲む龍を椿はやんわりと急かした。

「そんなに慌てるな。次にこのコーヒーを味わえるのがいつになるかわからないだろう?だからじっくり楽しみたい。」

なんてマイペースなの?!この男は・・・

椿は憤りを抑えながら言った。

「コーヒーを味わいたいならお一人でどうぞ。私は帰ります。」

そうバッグを手に持った椿の手首を掴み、龍が低く告げた。

「単刀直入に言う。翔真君を俺の子として育てたい。」

「は、はあ?」

椿は思ってもみなかった龍の言葉に、開いた口が塞がらなかった。

「あなた、何言ってるんですか?!意味がわからない。」

「意味がわからない?君は日本語がわからないのか?」

「ふざけないでください。翔真は私の子です。あなたに渡すつもりはありません!」

そんな椿の激昂をよそに、龍は冷静につぶやいた。

「・・・まあ、そうなるよな。」

龍は腕を組み、背もたれに身体を預けた。

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