未亡人ママはスパダリ義兄の本気の愛に気付かない

ふたりきりの遊園地デート


「カズキ!」

「おう!ショーマ!」

翔真が和樹に駆け寄り、ハイタッチをした。

真田和樹(さなだかずき)は翔真が保育園の青組で一番仲良くしている友達だ。

「今日は翔真がお世話になります。」

椿がそう言って丁寧に頭を下げると、和樹の母、真田祐子(さなだゆうこ)が申し訳なさそうに笑いながら手を振った。

「こちらこそ。和樹がどうしても翔真君と行きたいってうるさくて。・・・突然お誘いしちゃってゴメンナサイね。」

和樹は両親と博物館で開催されている恐竜展へ行くはずだったが、父親が急な仕事で行けなくなってしまった。

チケットが一枚余っているから、もし良かったら翔真君も一緒に連れて行ってもいいかと、今朝祐子から電話が来たのだ。

それを翔真に伝えると、翔真は嬉しそうに顔を輝かせた。

「うん!行きたい!ママ、行ってもいい?」

「いいけど、良い子にしてるのよ?ワガママ言ったり、和君ママを困らせたりしないこと。約束出来る?」

「出来るよ。当たり前じゃん。」

「じゃあ、和君ママに翔真も行くって伝えるね。」
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