小説が世界を変えたから
やりたいことなんて、今までなにもなかった。

将来の夢を聞かれる度に、実際そうでもないような嘘を吐いて。

絵が好きだから漫画家だとか、音楽を聴くのが好きだから作曲家だとか。

''ちょっと好き''。その程度のものを、やりたいこととして軽々しく背負ってきた。

でも、今は違う。

新しいもの、小説というものに出会って、本気でやりたいと思えるものが見つかった。

今までの、他の好きとは違う感覚だった。

ページをめくればめくるほど魅力に迫られ、惹き込まれてしまって。

自ら進んで見つけたのではない。

まるでだれかが最初からそうするつもりだったというように、私に機会を与えてくれた。

たまたま視界に入った小説。

その沢山の文字の中には、私の知らない世界が詰め込まれていて。

小説を読んでいるうちに、初めて、言葉という魅力に気づいてしまった。

いつしかそれは、小説を書きたいという衝動の原動力になり、小説家になりたいという夢に変わった。

自分の考えや発想を言葉にして、だれかに伝えられることが嬉しくて。

小説のことだったらいくらでも語れる。ずっと考えていられる。そんな気がした。

数年後の自分を見るのが、とても楽しみだった。
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

私は今日も、そらを見上げる。

総文字数/60,674

青春・友情121ページ

表紙を見る
選ばれなかった私に、きみがくれた言葉

総文字数/1,008

恋愛(その他)3ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop