キスはボルドーに染めて
確かな気持ち
あれから数日、陽菜美と蒼生は経営企画室にこもって、一日中企画を練る日々を過ごしていた。
でもプレゼンの日が迫る中、二人がお互いに納得できる企画案はまだ出ていない。
杉橋も自分の仕事そっちのけで顔を出していたが、さすがに上司に睨まれたようで、今日は顔を見せていなかった。
「そろそろ一度、休憩にでもするか」
定時も過ぎた頃、蒼生が眉間に手を当てながら声を出す。
陽菜美は時計に目をやると、一旦ぐっと両手を上げてストレッチをした。
ここ最近は、気がつけば定時を過ぎている生活だ。
企画が決まらない焦りと共に、疲労はどんどん蓄積されていく。
それでも陽菜美にとっては、蒼生と二人で過ごすこの空間が、とても居心地が良いというのが本音だった。
「じゃあ、私はコンビニで、夜食になるものでも買ってきますね」
陽菜美は薄手のコートとスマートフォンを取り上げると席を立つ。
「ありがとう。俺はコーヒーを淹れておくよ」
蒼生は腕まくりをすると、立ち上がってケトルのスイッチを押した。
でもプレゼンの日が迫る中、二人がお互いに納得できる企画案はまだ出ていない。
杉橋も自分の仕事そっちのけで顔を出していたが、さすがに上司に睨まれたようで、今日は顔を見せていなかった。
「そろそろ一度、休憩にでもするか」
定時も過ぎた頃、蒼生が眉間に手を当てながら声を出す。
陽菜美は時計に目をやると、一旦ぐっと両手を上げてストレッチをした。
ここ最近は、気がつけば定時を過ぎている生活だ。
企画が決まらない焦りと共に、疲労はどんどん蓄積されていく。
それでも陽菜美にとっては、蒼生と二人で過ごすこの空間が、とても居心地が良いというのが本音だった。
「じゃあ、私はコンビニで、夜食になるものでも買ってきますね」
陽菜美は薄手のコートとスマートフォンを取り上げると席を立つ。
「ありがとう。俺はコーヒーを淹れておくよ」
蒼生は腕まくりをすると、立ち上がってケトルのスイッチを押した。