私のことが必要ないなんて言わせません!【菱水シリーズ③】
May 第12話 恋は命懸け
―――死ぬ気でいかなきゃこの恋は手に入らない。
相手は大人の男で女の人と何人も付き合ってきたようなとんでもない人。
そんな簡単な男じゃないってわかっている。
わかっているけど、嫌いまで言わないでもいいと思う。
さすがにグサッと傷ついた。
でも、梶井さんの嫌いは悪意がない。
私から距離をとるためにあんなことを言った。
これ以上、踏み込めば私が傷つくって思っている。
私が本気の恋しかできない子供だから。
梶井さんはもう私のことなんて忘れたような顔をしてインタビューを受けている。
さっきと別の人みたい。
梶井さんは存在感も雰囲気も特別なオーラを持っている。
私はそれを黙って遠くから眺めていた。
「―――先生。望未先生」
呼ばれてハッとした。
「ご、ごめん。関家君。どうかした?」
「いえ。来週のレッスンの予約をしたいんですけど」
「そうだね。いつがいい?」
スケジュール帳を開いた。
「先生って、他の生徒のこと名前で呼ぶけど、俺のことは名字だよね」
「え?他の生徒って小学生の女の子だし。関家君をちゃん付けで呼ぶのってなんだかおかしいでしょ」
相手は大人の男で女の人と何人も付き合ってきたようなとんでもない人。
そんな簡単な男じゃないってわかっている。
わかっているけど、嫌いまで言わないでもいいと思う。
さすがにグサッと傷ついた。
でも、梶井さんの嫌いは悪意がない。
私から距離をとるためにあんなことを言った。
これ以上、踏み込めば私が傷つくって思っている。
私が本気の恋しかできない子供だから。
梶井さんはもう私のことなんて忘れたような顔をしてインタビューを受けている。
さっきと別の人みたい。
梶井さんは存在感も雰囲気も特別なオーラを持っている。
私はそれを黙って遠くから眺めていた。
「―――先生。望未先生」
呼ばれてハッとした。
「ご、ごめん。関家君。どうかした?」
「いえ。来週のレッスンの予約をしたいんですけど」
「そうだね。いつがいい?」
スケジュール帳を開いた。
「先生って、他の生徒のこと名前で呼ぶけど、俺のことは名字だよね」
「え?他の生徒って小学生の女の子だし。関家君をちゃん付けで呼ぶのってなんだかおかしいでしょ」