彼の秘密は、溺愛付き。

プロローグ

それは雨が降っている日だった。

夜の雨は視界も遮られるし、傘を差していても足元は濡れてしまう。

どこか雨宿り出来る場所を……そんな考えが浮かんですぐに見つけた小さなカフェ。

店前がお洒落なライトで照らされていて、鉢植えの花に手入れが行き届いている。

何より優しい雰囲気のあるカフェだった。

店内に入っても印象はそのままで、すぐに私のお気に入りのカフェになった。

資格の勉強をしていると優しい店長さんが「のんびり勉強すれば良いから。ゆっくりして行って」と言ってくれる。

そんな私の大好きなカフェに突然現れたのは……隣の部署の男性社員。


「お客様、こちらの注文ですが……」


出会ってしまえば、もう逃げることは出来ない。

どんな甘さからも、どんな溺愛からも。