彼の秘密は、溺愛付き。
甘いのはチョコレートケーキだけじゃない
土曜日。

私は鏡の前で頭を悩ませていた。

着替えもヘアセットもメイクも終わっている。

あとはいつものカフェに行くだけ。

店長にも奥さんにも会いたいし、ケーキも食べたいし、何より私のお気に入りのカフェ。

三原くんも来れば良いと言ってくれているのに悩む理由は何もないはず。


「平塚さんさ、もうカフェに来ないなんてことないよね?」

「そんなの俺は嫌。やっと平塚さんと話せたのに」


あの日の言葉を思い出して、あの日握られた左手をつい見つめてしまう。
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