白いパンプスのシンデレラ
11
「最近、お姉ちゃんが家にいてくれて嬉しい」
そう言って抱きついてくる妹、椛を抱きしめる。
すっかり抱き癖ついちゃったな・・・
そう思いながらも頭を撫でる。
母親がいなくなってから、椛は夜よく泣いていた、
その時、泣き止むまでずっと抱きしめていて、
その後も、寂しそうにする度抱きしめていたので、
すっかり甘え癖がついてしまったのだ。
でも、こうして甘えてくれる事が嬉しいと思う。
1人で寂しさを抱えているよりよっぽどいい。
椛は高校3年生。
成績は良く、可愛くて、素直で、自慢の妹だ。
将来の進路については、しっかりと聞けていない、
高3なのだし、とっくに決めていてもいいのだが、
いろいろ本人も複雑な気持ちもあるようで、
どう?とだけ軽く言って、
後は自分から言ってくれるのを待とうと思っている。
「今の仕事1つだけになったから、
けっこう時間に余裕ができてるからね」
「鷹村様様だねぇ」
図書館に行くのを、辞めた訳ではないが、
金銭的に余裕ができたので、スマホのギガを使いたい放題にして、
家でレシピを検索できるようにしたのも大きい。
前までは、できるだけスマホを使わないようにしてたのに、
スマホが見放題になったら、世界が変わったようだ。
同じ料理でも、作り手によってレシピが微妙に違い、
ああ、この調味料でも対応できるんだと、
かなり勉強になっている。
「どこか行きたい所か、やりたい事ある?」
喫茶店かゲーセンかな?と思いながら椛に聞く。
「アメリカに行きたい・・・」
「アメリカ?」
あまりにも予想外の返答に、きょとんとしてしまう。
「ごめん!何でもない!
それよりお姉ちゃんの作ったチーズケーキ食べたい!」
「またチーズケーキなの?」
椛にせがまれて、2か月に1度は作っている気がする。
「だって美味しいんだもん!」
「はいはい、外出はいいの?」
「うん、家にいる方がいい」
「お姉ちゃん、今けっこう稼いでいるのよ?」
「自分の為に使いなよ」
「私は十分!」
「そんな事言って、老後知らないよ?」
「老後?ずいぶん先の話ね」
「その前に結婚か、ねえ、鷹村さんはどうなの?」
「それはない!前に言ったでしょ、
そのせいで何人も辞めているって!」
「ちぇ、もったいない」
いっぱい抱き着いて、満足した椛が離れて行くのを見ながら、
それはないよねと自分に言い聞かせていた。
そう言って抱きついてくる妹、椛を抱きしめる。
すっかり抱き癖ついちゃったな・・・
そう思いながらも頭を撫でる。
母親がいなくなってから、椛は夜よく泣いていた、
その時、泣き止むまでずっと抱きしめていて、
その後も、寂しそうにする度抱きしめていたので、
すっかり甘え癖がついてしまったのだ。
でも、こうして甘えてくれる事が嬉しいと思う。
1人で寂しさを抱えているよりよっぽどいい。
椛は高校3年生。
成績は良く、可愛くて、素直で、自慢の妹だ。
将来の進路については、しっかりと聞けていない、
高3なのだし、とっくに決めていてもいいのだが、
いろいろ本人も複雑な気持ちもあるようで、
どう?とだけ軽く言って、
後は自分から言ってくれるのを待とうと思っている。
「今の仕事1つだけになったから、
けっこう時間に余裕ができてるからね」
「鷹村様様だねぇ」
図書館に行くのを、辞めた訳ではないが、
金銭的に余裕ができたので、スマホのギガを使いたい放題にして、
家でレシピを検索できるようにしたのも大きい。
前までは、できるだけスマホを使わないようにしてたのに、
スマホが見放題になったら、世界が変わったようだ。
同じ料理でも、作り手によってレシピが微妙に違い、
ああ、この調味料でも対応できるんだと、
かなり勉強になっている。
「どこか行きたい所か、やりたい事ある?」
喫茶店かゲーセンかな?と思いながら椛に聞く。
「アメリカに行きたい・・・」
「アメリカ?」
あまりにも予想外の返答に、きょとんとしてしまう。
「ごめん!何でもない!
それよりお姉ちゃんの作ったチーズケーキ食べたい!」
「またチーズケーキなの?」
椛にせがまれて、2か月に1度は作っている気がする。
「だって美味しいんだもん!」
「はいはい、外出はいいの?」
「うん、家にいる方がいい」
「お姉ちゃん、今けっこう稼いでいるのよ?」
「自分の為に使いなよ」
「私は十分!」
「そんな事言って、老後知らないよ?」
「老後?ずいぶん先の話ね」
「その前に結婚か、ねえ、鷹村さんはどうなの?」
「それはない!前に言ったでしょ、
そのせいで何人も辞めているって!」
「ちぇ、もったいない」
いっぱい抱き着いて、満足した椛が離れて行くのを見ながら、
それはないよねと自分に言い聞かせていた。