白いパンプスのシンデレラ

12

ある日、仕事の関係でとある料亭を訪れた、
そこ店が出汁がきいていて、美味しいと思う。

橋本さんにも食べさせてあげたいな、
自然にそう思う。

いやいや、これは俺好みの味を知ってもらう為、
ほら、最初にどんな味が好みか聞かれて、
答えられなくて困っていたじゃないか。

「今度の日曜、夕方空いているか?」

「日曜ですか?特に用事はないですが」

「俺好みの味の店を見つけたんだ、
 俺の好みを知ってもらう為にも、
 その店の味を知って欲しい」

「食事ですか?」

「そう」

喜ぶと思ったのに、橋本さんは困惑した顔をする。

喜ばそうと思って、困惑させるのは
いつもの事なのだが、少し面白くない。

「とにかく決まり!予約するからな」

そう強引に決めてしまうのだった。
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