白いパンプスのシンデレラ

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「この前のステーキ丼ありがとう」

メインの肉を食べえている時、いきなり言われて驚く。

確かクレーム対応があると聞いていて、
その対応が終わった時にステーキ丼を出したのだ。

「凄く大変だったから、ご褒美があって嬉しかった」

笑顔で言われて、自分の料理が鷹村さんの力になっていて、
嬉しいと思う。

「うちの会社は、一族経営だけど、
 いいポジションに着いている分責任は取るっていう考え方で、
 この前も新人が先方に大迷惑をかけてしまって、
 謝るだけでは済まなくて、
 対応策なんかも考えて、本当に大変だったんだ」

「上司がきちんと責任を取るって、素晴らしい事だと思います」

「女性は専業主婦だと『楽をしている』、
 働いていると『子供が寂しそう』って言われるって聞いて、
 ちゃんと責任を果たしているなら立派なんじゃないかと思う」

「そうですね」

「橋本さんも立派だよ、妹をちゃんと守っている」

「当然です」

「それが偉いんだよ」

真剣に言われて、胸がどきどきする、
今までの自分を全て肯定されたようで、本当に嬉しかった。

「俺は家庭が一番って考えだから、
 仕事はもちろん大事だけど、あくまで家庭を維持する為」

「そうなんですね」

「子供ができたら、キャンプ行ったり、
 釣り行ったりしたいんだよな」

「きっとできますよ」

「そうだといいな」

そうして食事をしていると、シャーペットが出てきた。

冷たいシャーペットを口に含みながら、
この人の奥さんは幸せだろうなと思う。

そして、もう自分の心を認めないとと思う、
恋心を封印しないとと思う程、この人に惹かれている、
多分、とっくに好きになってしまっているんだ。

でも、この気持ちは一生告げない、
少しでも家政婦として傍にいたいから・・・
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