冤罪で聖印を奪われた令嬢、辺境で本物の大聖女になる ~傲慢令嬢ヒストリアの救済証明~

選ばれてしまった者の憂鬱と予感

十代のイクシスは希望に溢れ

二十代は選ばれなければ良かったと後悔した

三十代で血は繋がらないが愛しい子供が出来て

四十代で後継者の育成という壁に苛まれた

今は、神殿の間違いを咎めることも出来ず、聖力の衰退が招いた災禍に国を憂い、なすすべなく膝をついている。

――――神殿はロイドを甘く見過ぎた。



王座を簒奪しようと王手をかけるフランドール家の庶子ロイド。

神殿はこの“魔法使いを魅了する声”を持つという男を祭り上げ懐柔し、この国の王に据えたあとは聖者の浄化を抑止力に実権を握ろうと目論んだ。
しかしそれは失敗に終わるだろう。

イクシスを思うままに囲い育てたように、同じことが出来ると考えたのだろうが、きっと無駄だ。

イクシスだからこそ分かるのだ。
ロイドは何も知らなかった自分とは違う。
自分たちで御せるなど驕りなのだ。

なぜなら眼を見れば分かる。ロイドは全てを疑っていると。

神殿の真意が懐柔することであるという確証を得たわけではないのだろうが、しかし新たに従えた魔法使いの存在が最もたる理由。
盾にも矛にもなり得る従僕を連れた今のロイドは対等な交渉相手にはならない。

せいぜい今のように手駒として働くのがオチだろう。
この悪夢に救いはあるのだろうか。



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