プロフィール

竹笛パンダ
【会員番号】1381512
作家、竹笛演奏家をしています。
仕事柄、人と会う機会が多いので、出会った人々の話を基に、ヒューマンドラマを描いています。
思春期の心理劇なども書いています。
もちろん物語ですので、フィクションにしています。
詠んだ方が、少しでも「ほっ」とするようなお話を書いていきます。

作品一覧

猫のキミと暮らせば

総文字数/76,825

恋愛(ラブコメ)35ページ

第8回ベリーズカフェ恋愛小説大賞エントリー中
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静かな日々のなかで、人はもう一度、誰かを好きになる。 ――猫と、少し不器用な大人たちの物語。 物語は、かつて人として生き、深い別れと喪失を経験した魂が、 一匹の猫として現代に生を受けるところから始まる。 かつて高貴な身であった“我”は、今は小さな猫として、 ひとり暮らす女性――「女房」のもとで静かな日々を送っていた。 女房は都会で働く独身女性。 仕事には真面目で、人からの信頼も厚いが、 心の奥ではどこか孤独を抱えている。 恋をしても一歩踏み出せず、 期待しては傷つき、また距離を取る。 そんな彼女のそばで、猫はただ静かに寄り添い、 時に皮肉を、時に温かなまなざしを向けながら、 人の心の揺らぎを見つめ続ける。 季節が巡る中で、女房は仕事や人間関係に揺れ、 一度は心を寄せかけた相手との距離に悩み、 それでも自分の生き方を見つめ直していく。 やがて彼女は、 「誰かに選ばれること」ではなく、 「自分がどう生きたいか」を考えるようになる。 一方で、彼女の前に現れたのは、 静かで誠実な青年・修。 彼は派手な言葉も駆け引きも使わず、 ただそばにいて、彼女の時間を尊重し続けた。 恋は激しく燃え上がるものではなく、 日常に溶け込み、安心を与えるものだと、 彼女は少しずつ気づいていく。 猫はそのすべてを見届ける。 人の心が揺れ、迷い、そして静かに決まっていく様を、 言葉少なに、しかし確かに。 やがて彼女は、自分の居場所を選ぶ。 誰かに選ばれるのではなく、 自分が「ここにいたい」と思える場所を。 それは劇的な告白でも、運命的な再会でもない。 ただ、同じ風景を共有し、同じ時間を重ねていくという選択。 猫はその背中を見送りながら思う。 ――この人は、もう大丈夫だ、と。 こうして物語は、 恋を探す物語から、人生を選び取る物語へと静かに移ろい、 ひとつの季節を終える。

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