来海シスコさんのレビュー一覧
妄想大好き、本が友達、お洒落にも疎いナノは、“メガネクラ”なんて呼ばれても言い返せない、本物の地味子。
こんな自分が恋なんて――と最初から諦めモードの彼女の世界が、一人の男の子によって180度変えられてしまうその過程が、楽しく軽快に、そしてドキドキたっぷりに描かれています。
一見ナノと同じく地味に見えるヒーロー如月くんには秘密があって、それがまた物語の魅力につながっていました。
自分や相手の見た目、周囲の反応を気にしがちな思春期の恋愛ですが、自分が自分に胸を張れればいい。
恋をする権利は、誰にだって平等にあるんだよ、と教えてくれるような作品。
爽やかで、ドキドキの青春をどうぞ♪
ヒロインが職場の上司と甘々な時間を重ねる前半部分から、きっと後半は、彼とのロマンチックなプロポーズが描かれるのであろうと思いきや…
待っていたのは全く予想外のサプライズ!
こんな展開、切なすぎる…!
ーーなんて、読者をハラハラさせておいて、ちゃんと本物のサプライズも用意されていますのでご安心を♪
短編ながら、読めない展開にドキドキワクワク。満足度たっぷりのお話です。
読んでいる間中ずっと、海の青さときらめき、そして波の音まで聞こえてくるような、情景の美しい作品でした。
私自身が同じ景色を見たとしたら、きっとなんてことない海辺の町に映るのだと思います。
けれど、作者様のフィルターを通して描写されると、“ここに行ってみたい”“登場人物たちと同じ景色が見たい”
――そう思わせてくれるから不思議。
そんな美しい海を背景に、ヒロイン瑞香の心と、謎めく男性海棠の心がゆっくりと通い合っていくのを見るのは、とても心地の良いものでした。
優しくて不器用で、けれど海のように深い愛に二人がつつまれる瞬間まで、じっくりと楽しんでほしい作品です。
超高級ホテルの総支配人の娘であるお嬢様の美貴は、もっと世間を知るように、といきなり老舗旅館の仲居として働きに出されてしまう。
その旅館の経営者である響也との恋が描かれているこの作品は、切なく、そしてドラマチックな展開が随所に散りばめてあって、読めば読むほど物語に引き込まれていきました。
中でも、美貴を幸せにできるのは自分ではないと悩む響也の男心が胸にぐっと迫ってきて、お願いだから彼と美貴をこれ以上すれ違わせないで!と懇願したくなるほど。
けれど、タイトル通り、二人には魔法があるのです。
とびきり幸せになれる、唇から始まる魔法。
だから、安心して切ないすれ違いをお楽しみくださいね。
ラストは幸せな余韻でいっぱいになります。
仕事も恋愛も、ひたすら正面からぶつかっていくヒロイン桃花と、臆病大人男子の久志。
久志は言葉足らずなヒーローなのですが、仕草、たたずまい、ココロの描写で見事にそれを補っているのが作者様のすごいところ。
王道ではないヒーローですが、めちゃくちゃカッコよく見えるんです!
そんな二人の結ばれそうで結ばれないもどかしい距離感、それでもやっぱり惹かれてしまう強い気持ちにたくさんドキドキさせられました。
ふたりの関係を動かす、“大キライ”の言葉。
そこに込められた桃花の純粋な想いには、きっと共感できるはず。
動き出した恋の行方は、傍にラテを置いてお楽しみ下さい。
男の人が苦手な柊奈と、何を考えているのかわかりづらい、クールな桜庭。
一見相性の悪いように見える二人ですが、ゆっくり恋が芽生えていきます。
好きだな、と気づくと、逆に踏みとどまってしまう気持ち。
嫉妬心はあれど、どこにもぶつけられずに悶々としてしまう気持ち。
遠くに行かないで、そう思っても、口には出せない気持ち。
人を好きになると、誰の心にも芽生えてしまう臆病な気持ちが自然に散りばめられた柊奈の恋の過程には、きっとたくさんの人が共感できるはず。
そしてそれに負けずに、好きな人にまっすぐ向かっていく柊奈の姿をきっと応援せずにはいられません。
しみじみと幸せを感じられるようなラストまで、是非読んでみてください♪
仕事がキライで、愛想の良さだけでのらりくらりと今まで働いてきた主人公の初芽。
そんな彼女が、異動先で出会った鬼上司、矢崎に少しずつ変えられて、社会人として、女性として、徐々に成長していく姿がとても好感の持てる作品でした。
表面だけ見るとただ怖いという印象しか抱かない矢崎だけれど、彼を知れば知るほど、部下思いだということがわかって、その優しさに初芽と一緒になって胸キュン♪
私も彼に教育されたい!
矢崎の優しさと厳しさの絶妙なバランスにそんな願望を持つ人も少なくないのでは。
是非、ご一読を。
ゴルフ練習場で働く柚子はキスの経験すらない恋愛初心者。
とことん鈍くて思い込みが激しく、すぐに悪い方へ思考を転がしてしまう。
そんな彼女が一目ぼれしてしまったのは、練習場でゴルフを教える元プロゴルファーの政宗。
ただでさえおっちょこちょいな彼女が、“超”が付くほど俺様な彼に気に入られてしまったからもう大変。
思わせぶりな言動ばかりの政宗に振り回され柚子は毎日てんやわんや。
けれど、じゃれあうような二人のやり取りは微笑ましく、両想いであることに気づいていないうちは特に、じれじれしながらもきゅんとさせてもらいました♪
いつも俺様な政宗。けれど実は心に抱える闇の部分があり、明るく素直な柚子に、彼の方こそ救われていたんだ――そう思える終盤部分は幸せと甘さがいっぱい。
一人では踏み出せなかったことも、大切な人がいれば頑張れる。
そんなことを教えてくれる作品でした。
浮気が原因で彼氏と破局した矢先、六年勤めた会社も辞めることになってしまった28歳の有希。
新しい職場に選んだ花屋でも失敗が続き、そんな中で恋した相手は、あるときは彼氏を演じてくれる代行業者。あるときは花屋のオーナーと、謎ばかりの男性。
しかも、彼には婚約者の存在がある。
そんな逆境のなかでも、仕事も恋も、正面から向かっていく有希の姿はかっこよかったです。
新しいことを始めるにも、危険を伴いそうな恋に飛び込むのも、普通ならば躊躇してしまいそうな年齢ですが、そうしない有希に元気をもらえた気がします。
恋も仕事もそれ以外も、「今度こそ」と思うことにきっと年齢制限はない。
そんなことを思わせてくれる、素敵な作品でした。
第一部、第二部に比べたら、手放しで喜べるハッピーエンドではありません。
今まで共に戦ってきた新撰組の皆は散り散りになり、たくさんの命が失われて。
けれど、楓と総司の絆は何よりも強くて、時代の逆風にも二人で立ち向かい、仲間の無念を晴らそうとする姿に何度も胸を打たれました。
史実に沿いながら、ファンタジー要素をうまく織り交ぜて読者を楽しませてくれる展開はさすが真彩さん。
平和な世と、二人にこれから訪れる穏やかな幸せを予感させてくれるラストには心が温まります。
一方で失ったものの大きさを思うと切なくもなりますが、それこそ新撰組という存在が、今でもたくさんの人に愛される理由のひとつかなと思います。
不器用でも真っ直ぐで美しい武士の心を持った新撰組隊士たち。
それぞれの戦いがどうやって幕の引くのか、目を逸らさずにご覧ください。
本編でもかなり胸キュンさせてもらいましたが、続編もすごかったです。
一ページで何回ときめかせてくれるんだ作者さんは~!と心で叫びながら、一気に読み上げてしまいました。
個性豊かな四兄弟に、プラスもう一人タイプの違うイケメンが、しかも今度は同居。
メンズの数がちょっと多すぎるんじゃないかと思う方もいるかもしれませんが、大丈夫です。
キャラたちがしっかり書き分けられているのはもちろん、登場の割合もまんべんなく、そしてニクイところで適役がでてくるという読者思いの構成!
安心して全員に萌えつつ、けれどメインの二人のじれじれ感も楽しめる、本当に間違いのない作品です。
どのページを開いてもキュン要素があるので、読み終わっても本棚に常備しておいて、胸キュンを補充したいときに読むのもお勧めです。
本当に楽しかった!
愛してる、より、好き。そんなシンプルが似合う、中学生の、全力の恋。
主人公の杏奈も達郎も、罰ゲームっていう方法に乗っかるしかやり方がわからなくて、すごく遠回りだけど、痛いくらい純粋で。
大きな事件が起こったりするわけではないのに、登場人物たちのココロの痛みだけで泣けてきちゃう、そんなお話でした。
日常のなんてことない会話、それからちょっとした行動、しぐさ。
それらが丁寧に描かれているからすぐに物語の世界に入り込むことができて、ふたりの同級生として見守っているような気分でした。
〝好き〟って言葉はたった二文字だけど、やっぱりすごく愛しくて、大切にしたい言葉。
罰ゲームの告白。
そこにある〝好き〟が、カタチを変えて実を結ぶ瞬間を、あなたもぜひ見届けてください。
旅先で、素敵だなと思った相手に、日常で再び会うなんて……
ヒロイン葵はそうして再会した相手、藤沢に淡い思いを寄せていた。
けれど、藤沢はなんと彼女もち。
仲睦まじい様子の二人を見て、葵は恋心をなんとか諦めようとするけれど……
自分が“運命”だと感じた相手に、同じ気持ちを期待する……そんな乙女心にすごく共感しました。
藤沢の思わせぶりな態度にやきもきしつつ、けれどやっぱり二人の間には赤い糸があったんだなと思わせてくれる結末には胸がほっこり。
クローバーがつないだ恋が、ゆっくり幸せに向かっていく道のりを、あなたもぜひご覧ください♪
うんうん、そうだよね、わかるよー!
と、主人公の赤ずきんちゃんに共感せずにはいられませんでした。
イケメンで仕事もできる上司が、冴えない自分なんかに構う理由がない…ないんだけど、ちょっと期待しちゃう気持ちとか。
そんな期待したら傷つくの自分だよって自分に突っ込みつつ、惹かれてくのを止められない気持ちとか。
大人だけど、一生懸命な恋がここにありました。
それをさらに効果的に見せる可愛らしいアイテムの数々や、クスッと笑えるユーモアも忘れない。
読む人を笑顔にさせてくれる、素敵な作品でした♪
キラキラまぶしい王子様でもなく、強引な魅力の俺様でもなく、ギターを片手にフラりと現れてはヒロインを助け、心をさらってはまた去ってしまう…
言うなれば“旅人系ヒーロー”の柳に、胸キュンさせられまくりの作品でした。
過保護な父や、カラダ目当ての先輩。そしてタチの悪いクラスの女子グループ…
お嬢様ならではの敵に囲まれるヒロインのひよりですが、柳の言葉や行動が、いつも助けてくれる…それが本当にカッコイイ!
加えて、柳はバンドマン。
彼が友達と組んでいるバンドの演奏シーンには、ひよりと一緒になって興奮すること間違いなし。
それほどの臨場感を約束します!
幼馴染みだけど、他校生。
そんな、近くて遠い、悪縁な二人の恋を、あなたも覗いてみては。
夫の浮気が原因でバツイチになってしまった未帆。
自分に自信が持てずに、恋愛する気も全く起きない…
巷で言われているのとはちょっとタイプが違うかもしれませんが、ある意味“こじらせ女子”な彼女。
でも、そんな彼女の胸にまっすぐ飛び込んでくる年下男子の朝陽が、ときに可愛く、ときに強引に迫ってきて、それがもう愛しいのなんのって!
安定した生活よりも、夢を追う――そんな朝陽のキラキラした生き方を応援できるのも、ある意味理想の恋愛だなと思いました。
未帆の心がゆっくりほどけて、幸せな未来への一歩を踏み出す瞬間を是非、見届けて下さい。
第一部でめでたく結ばれた、総司と楓。
けれど二人が生きるのは、幕末の世。新撰組の戦いもまだ終わっていない。
そんな、いつ命が尽きてもおかしくないぎりぎりの毎日だけど、時々は穏やかな時間や、仲間とのあたたかいやり取りがある。
そこを絶妙なバランスで描いてあるので、すぐに話にのめり込んでしまいます。
新撰組はもちろん大事だけれど、一番は楓が自分の隣にいてくれること――そんな総司が本当にカッコイイ!
……しかし。
幕末にも新撰組にも疎くても、沖田総司という隊士がどんな運命を辿ったのかくらい、きっと皆さん知っていますよね。
作者さんはそこをどう描くのだろうと、読み終わればすぐ第三部にいきたくなります。
史実に沿いつつ、ファンタジーとユーモアで膨ませた、魅力あふれる新撰組の運命を、あなたも一緒に追いかけましょう!
学生時代に忘れられない恋をして、それ以来誰と付き合ってもイマイチしっくりこなかったヒロインの紗羽。
けれど彼女が働く住宅会社のイケメンプランナー柊に本気で惹かれていき、アプローチをする彼女だけど――。
まっすぐに想いをぶつける紗羽に対し、いつも裏腹な言動ばかりの柊。
でも、それにはちゃんと理由があって、パズルのピースがはまっていくように明かされる彼の過去には、ぐっと引き込まれていきました。
自分にとっての幸せってなんだろう。
それに必要不可欠な相手は誰?
紗羽と柊、二人が思い描く未来の設計図が見えてくるような、幸せのラストまで、じっくりお楽しみください♪
ビジネスおネエ――そういう男性が存在するのは知っていましたが、まさかそれを主人公にしてしまうとは! そんな作者様の発想にびっくりしつつ、どんな展開が待っているんだろうとワクワクしながら読みました。 主人公の思考がテンション高めなのは、おネエキャラのせい? いやいや、“素”の時も結構心の声多めで、それがまた毎度面白いんですよね。 そんな彼が、初めての本気の恋に悩み、苦しみ、走り、笑う! くすくす笑えて、心あたたまるお話。 ぐっと寒くなってきた、今の時期にもぴったりです♪
ビジネスおネエ――そういう男性が存在するのは知っていましたが、まさかそれを主人公にしてしまうとは!
そんな作者様の発想にびっくりしつつ、どんな展開が待っているんだろうとワクワクしながら読みました。
主人公の思考がテンション高めなのは、おネエキャラのせい?
いやいや、“素”の時も結構心の声多めで、それがまた毎度面白いんですよね。
そんな彼が、初めての本気の恋に悩み、苦しみ、走り、笑う!
くすくす笑えて、心あたたまるお話。
ぐっと寒くなってきた、今の時期にもぴったりです♪
本編で結ばれた、縁と那央。
二人はその後、毎日甘ーい結婚生活を送っている…わけではないのでした。
夢だった警察官になった那央は忙しく、そのことで不安になってしまう縁。
二人の絆はそんなことじゃ揺らがないとわかっていても、ささいなことで生まれた不安の芽がどんどん成長しちゃう、そんな縁の女心にはとっても共感しました。
でも、相手はあの男前な那央。
予想を上回る大きな愛で、縁はもちろん、読んでいるこちらも幸せな気持ちにしてくれます。
是非、本編と併せてお楽しみください♪