小田真紗美さんのレビュー一覧
三途の川とも極楽とも地獄とも繋がっている郵便局。
そこはとても心地よく
ホッと一息つける美味しい珈琲が飲める場所。
あの世に行く前に、やり残した事を手紙に書いて未練を絶つ人達。
言えなかった言葉や後悔は必ずあるから
今を大切にすることを知ります。
不思議なお話ですが
現実にもありそうで、あぁ死んだらまずここに来るんだなぁって思ってしまいました。
ここに来るなら怖くないぞと、自然なお話でした。
全体的に温かく
優しいけれど人間の弱さも書いてます。
雨の日にコーヒーを飲みながらゆっくり読むのも素敵です。
大切な人が亡くなった後、身近で何か小さな自然現象があったなら、亡くなった人からの優しい合図かもしれません。上手に書いているので違和感なくその世界に入れました。
心地良い余韻に浸れる素敵なファンタジーでした。
お月見泥棒 お月見泥棒
今日はどこのお団子を食べようか
庄屋さん家のお団子にしよう
庄屋さん家のお団子は立派だよ。
奥の祠には真っ白なお団子があるよ。
でもね、そこには入ったらダメなんだよ。
いけないんだよ。
白い白いお団子。
ほら僕らは子供じゃないよ狐だもん。
入っちゃいけない祠だけど
真っ白なお団子を食べに行くよ。
白い白いお団子が
赤い赤いお団子になる。
肉は若い方が美味しい。
月明かりと静寂と血の匂い。
秋のホラーです。おすすめです。
町のはずれにある古い映画館。
しかもレイトショーしかやってないという
完璧な肝だめし上映。
実は怖いの苦手な主人公。
親友とその彼と、おまけに保護者的な親友の兄と一緒に映画鑑賞する事になる。
苦手意識をビシバシ感じながら映画館に入ると
そこに広がる不思議な世界。
全てを理解した彼の緊張感。
振り返ってはいけない。見てはいけないものがいっぱいある世界。
そんな怖さとはまた違う、ちょっぴり甘い予感の怖さ。
怖さと緊張感と不思議さと
ほっこりとラストはニヤリと
沢山楽しめる短編と思います。
毎日同じ事の繰り返しで
息苦しさの鎖に縛られている。
張り詰めた気持ちを解放したくて、缶ビールのプルタブを開くと……。
息苦しい閉塞感をラストで覆す彼との出会い。
もう大丈夫
これからは甘くふんわり彼女を包んでくれるでしょう。
優しい余韻はさすがです。
雨の日に読みたい
大人の恋と若い子の恋。
年下の恋人と別れる恋から始まって
年上の恋人を取り戻す恋で終わります。
その途中に挟まれる
幼なじみのみずみずしい恋。
好きすぎて嫌われるのが怖くなる彼女と
全てを受け入れる彼。
雨が彼らを優しく見守ってます。
とても素敵なお話でした。
憧れの部長のお誕生日を知り
ドキドキしながら誕生日プレゼントを渡そうとするけれど
部長はとんでもないカン違いをしており
逆に嫌われてる状態?
もう
本当に好きで好きで大好きな様子が伝わってきます。
ひたむきに好きで
一直線で好きで
それがとっても可愛らしい。
カン違いされる様子が気の毒だけど、それもが楽しく。
必死で話を聞いてもらい
誤解を解こうとするけれど相手にされず。
とにかく可愛いくて、突き抜けて楽しく
読み終わった後にほのぼのと幸せ気分になりました。
読みやすくて楽しくておススメです。
黒猫のチビちゃんはお母さんとお姉ちゃんと、ゴミ屋敷と呼ばれているゴハン屋敷で幸せに暮らしてます。
末っ子のモカちゃんは甘えん坊でお母さん大好き。
幸せな日々を過ごしていたけど
人間がやってきてゴミ屋敷撤収。だからネコたちにも保健所がやってきて……。
大好きなお母さんと離れたモカちゃん。
優しいミネちゃんに拾われたけど、ミネちゃんのお部屋はペット不可。
大好きな人とのお別れ。
ミネちゃんの気持ち。
お姉ちゃんと偶然会って、お母さんのその後の消息。
心がじんわりきます。
優しくて可愛くて
これからの幸せを見守りたくなるお話でした。
友達と街コンに参加したはいいけれど
色んな想いがグルグルめぐる。
自分らしさって何だろう。
見た目って何だろう。
そのままの自分を受け止めてくれる人は必ずいるよ。
だから大丈夫。無理しないでね。
エールを送りたい素敵な作品です。
ラストまで読んで
タイトルに戻るというのか
どうしたもんだかこの男。
でも私はおススメだと思いますよ。
楽しく可愛く
うふふと笑ってしまう作品でした。
憧れの課長は冷たいスノーマン。
イケメンでとにかくカッコいいのだけれど
その行動に振り回される杏子さん。
三ヶ月で課長を本気にさせる事ができたなら、杏子さんは課長と付き合える。
気合を入れて頑張るけれど
なんか課長って……素敵だけど……あぁ行動が読めない。
課長も課長で彼女と知り合い
愛情いっぱいの彼女の家庭に馴染んだり
心地良さを感じながら幸せを見つけるお話。
課長sideの章もよかったです。
読みやすく甘くキュンとしたオフィスラブです。
杏子さんの純粋な頑張りと戸惑いも素敵です。
楽しく読めます。
甘くてドキドキ元気をもらいました。
ごくごく普通の高校生のお話ですが。
ギュッと優しさが詰まっていて
大人になった今
忘れてしまった切なさと
たどたどしさ
不器用な想いと好きっていう気持ち。
主人公の女の子の心情が手に取るようにわかり
一緒にドキドキしながらも
ラスト近くにギューっとくるお話です。
小さな宝物のようなお話です。
とっても優しくて胸に残るお話です。
ぜひぜひおススメいたします。
職場で働く彼女を見守る彼。
彼は優しく彼女を包んでくれる。
彼との繋がりが彼女を癒す。
彼がいるから
彼女は頑張れる。
ラスト一行に元気をもらえる
前向きで素敵なオフィスでのぎじプリです。
甘ったれで気難しくて
プライド高くて寂しがり屋。
会社のプリンスのご機嫌を直せるのは彼女だけ。
ラストまで読んでから
なるほどなぁって思って
ふふふと笑ってしまいます。
微笑ましくて可愛いプリンス。
本気見せたら仕事早いよ!
キュンと甘くプリンスの性格が可愛らしく
とても楽しめるお話です。
突然の別れから
自分の気持ちに気付き
大切な存在を知る。
切なくて
苦しい恋心
博学で紳士な広岡さんが魅力的すぎて
読みながらツボにはまって
別れるのが苦しくなってしまう。
彼女の真っ直ぐな想い
広岡さんには届いてる。
こんな素敵な恋を読めるとは
ぎじプリに感謝。
小さな伏線がまた魅力的。
キャラが生きていて
広岡さんの正体にまたヤラれました。
魅力的なぎじプリです。
おススメです。
オタクと呼ばれるジャンルに属するかもしれない
主人公は偶然に上司と元カノの壁ドン修羅場を見てしまう。
あ……リアルだ。
でも関係ないよ
だって私は二次元キャラが好きなんだもん。
ちゅーなんてありえない
鼻息かかるっ!いやーっ!こんなの違う。
妄想の中で美しく生きたいのよ。
妄想大好き女子は恋愛こじらせ女子。
本当は忘れられない相手がいて
でもその彼は親友の恋人で
でも親友は……あぁこじらせてます。
こじらせているからこそ
優しい想いや伝わらない想い
伝えなきゃいけない想い。
色んな気持ちを教えてくれる。
気になる存在から大切な存在へ
あなたを見守り愛してくれる存在に気付いた時
二次元から三次元へと愛が広がります。
けっして
好きじゃないけど
あなたは私を抱きしめて
私を離さない。
あなたから逃げたいのに
拒否できない自分の弱さ
また彼に捕まった。
嫌な存在だけど
こんなに魅力的に描かれたら
まぁ……いいかって気持ちになるのはナゼでしょう。
難しい彼を素敵に描いてる作品です。
ずっと彼が一緒にいてくれると思っていた
見守ってくれるって
それなのにゴメンって
ひとつの恋が終わって
もうひとつの出会いがある。
一生傍には居れない
別れは必ずあるけれど
あなたは私を見つめていてくれた。
切ない
オフィスでの出来事をどうぞ。
ストレスの溜まる仕事に肩書が増え
また彼女の顔は曇ってゆく。
泣いた顔は彼だけに見せる
彼は全てお見通し
彼女の弱い心も頑張る心も。
ジッと彼女を見守り励ます。
心強い彼に見守られ
彼女は笑顔で彼の元を去る。
ラストまで読むと元気をもらえる
前向きになれるぎじプリです。
素敵なエールをありがとう。
誰もいないオフィスで彼と踊るひと時
何も考えないで彼と一体化する。
彼に身を任せ
クルクル踊る舞踏会。
あなたは私の王子様。
そんな彼女の前に現れたのは
本当の王子様。
楽しくて切なくて
ドキドキして
ラストの気分はシンデレラ。
ぎじプリをとても上手に描いていて
大満足の作品です。
幸せ気分を読んで味わって下さい。
石田先生の忍者修行。
形から入る石田先生は無茶ばかり
無茶ばかりだけど本当は凄いヤツ。
スゴすぎて……怖いヤツ
怖すぎて……カンベンして下さいって泣きたくなるけど
別の意味でほろっときたりして
ほろっとくるならポロリをよこせと石田先生は言うでしょう。
愛すべき石田先生
だけど遠くから見守りたい。
巻き込まれたくない存在。
楽しい忍者の世界をどうぞ。
おススメです。