ニンゲン釣りゲーム
歩を先頭に、時計周りで白い壁伝いに歩いて行く。

どうか、出口が見つかりますように……。
楓の願いはそれだけだ。

歩いていると、汗が滝のように流れ落ちてきた。
つばを飲むと、のどが刺すように痛かった。


あっ、と歩が立ち止まる。

「どうやら、ここで行き止まりのようだ」

目の前には白い壁が悠然と立ちはだかっていた。

楓は後ろを向いてみる。クラスメイトたちの姿が、小さく見え、かすかに声が聞こえてくる。
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