ニンゲン釣りゲーム
天からの武器
結局休むことができず、楓は、体操座りをしたまま、薄汚れてしまった靴のつま先を見ていた。

桃香は眠りにつくリスのように小さい体を丸めて座っており、奈緒は相変わらず、翔太の亡骸を空虚な目で見つめている。

「楓、大丈夫か?」

大和が隣に座ってきた。

汗ばんだ上半身を脱いだ長袖のシャツでタオル代わりにふいている。

「大丈夫……じゃないかな」

楓は、苦笑いしながら、乾いたせきをした。

< 270 / 491 >

この作品をシェア

pagetop