【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
揺れる思い
「おはよう、沙耶」
翌朝、出社して席に着くや否や、友里と満ちゃんが勢いよく駆け寄ってきた。
ふたりとも目を輝かせ、今にも何かを口にしそうな表情をしている。
――何? まさか……。
昨日、佐伯部長と一緒にいたところを誰かに見られた?
心臓がざわつくのを感じながら、彼女たちの言葉を待っていると、思いがけない話が飛び出した。
「あのね、まだ着任したばかりなのに、佐伯部長、もう新しい契約を取ったんだって! それも、ずっと難航していたグローバルフーズよ!」
「……え?」
思いがけない言葉に、一瞬思考が止まる。
昨夜のことを詮索されるのかと身構えていた私は、拍子抜けすると同時に、安堵の息を吐いた。
けれど、それ以上に驚いたのは、佐伯部長が私との案件以外にも、そんな大手との交渉を進めていたという事実だった。
翌朝、出社して席に着くや否や、友里と満ちゃんが勢いよく駆け寄ってきた。
ふたりとも目を輝かせ、今にも何かを口にしそうな表情をしている。
――何? まさか……。
昨日、佐伯部長と一緒にいたところを誰かに見られた?
心臓がざわつくのを感じながら、彼女たちの言葉を待っていると、思いがけない話が飛び出した。
「あのね、まだ着任したばかりなのに、佐伯部長、もう新しい契約を取ったんだって! それも、ずっと難航していたグローバルフーズよ!」
「……え?」
思いがけない言葉に、一瞬思考が止まる。
昨夜のことを詮索されるのかと身構えていた私は、拍子抜けすると同時に、安堵の息を吐いた。
けれど、それ以上に驚いたのは、佐伯部長が私との案件以外にも、そんな大手との交渉を進めていたという事実だった。