【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
上司と部下の関係は?
あの日、自分の中でケジメをつけたつもりだったが、毎日視界に入る佐伯部長に内心振り回されているのも事実だった。

そんな私に対し、佐伯部長はあれからも精力的に仕事をして、どんどん契約をとり絶好調のようにみえて、その事が私を余計に落ち込ませたのかもしれない。

時より見せる疲れた時のくせが気になるけど、もう私の出るところではないだろうと、その仕草から目をそらしていた。

あの日から二週間ちょっと過ぎ、仕事も落ち着いてきたので、友里に話をしたいと時計に目を向けた。

ホワイトボードをみると、友里の予定が直帰だと気づき会えるかなと思っているところに、外から戻ってきたばかりの部長と目があった。

あっ……咄嗟に視線を思いっきり外してしまい、未だに意識してしまう自分に嫌気がさす。
< 80 / 287 >

この作品をシェア

pagetop