砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
第一章 少年時代
出会い
カルヴィン・オルディンは、フォトキナ城の一室で静かに待っていた。
美しくまっすぐな銀色の髪を襟足から短く刈り込み、全体的には男らしくスッキリとしている。
だが、長めの前髪が目元を覆い、顔に影を作っていた。
カルヴィンは広く豪奢な作りの部屋を興味本位で歩き回ることもなく、キョロキョロと辺りを見回すわけでもなく、ただじっと椅子に座っていた。
師レオポルトがアルベルト王子を呼びに行ってから、既に半刻は経っている。
しかし、一向にやってくる気配はない。
さすが腕白で有名にアルベルト王子。そう簡単には捕まらないようだ。
カルヴィンが待つ部屋では、先程から時計が時を刻む音しかしていない。
カルヴィンは、時計の針の音に耳を傾けながら考える。
好奇心の塊であろうアルベルトは、師レオポルトから逃げつつも、お目付役としてあてがわれるカルヴィンが気になるに違いない。
だが、天邪鬼な彼のこと。カルヴィンを正面から迎え入れたりはしない。とりあえずどこからかこっそりカルヴィンの様子を伺いにくるだろう。
美しくまっすぐな銀色の髪を襟足から短く刈り込み、全体的には男らしくスッキリとしている。
だが、長めの前髪が目元を覆い、顔に影を作っていた。
カルヴィンは広く豪奢な作りの部屋を興味本位で歩き回ることもなく、キョロキョロと辺りを見回すわけでもなく、ただじっと椅子に座っていた。
師レオポルトがアルベルト王子を呼びに行ってから、既に半刻は経っている。
しかし、一向にやってくる気配はない。
さすが腕白で有名にアルベルト王子。そう簡単には捕まらないようだ。
カルヴィンが待つ部屋では、先程から時計が時を刻む音しかしていない。
カルヴィンは、時計の針の音に耳を傾けながら考える。
好奇心の塊であろうアルベルトは、師レオポルトから逃げつつも、お目付役としてあてがわれるカルヴィンが気になるに違いない。
だが、天邪鬼な彼のこと。カルヴィンを正面から迎え入れたりはしない。とりあえずどこからかこっそりカルヴィンの様子を伺いにくるだろう。