砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命

自然の理


屋敷についた頃には体調はさらに悪化していた。カインの顔は血の気が引いて真っ青。足元もおぼつかず、モリセットが抱きかかえるようにベッドへと運んでくれた。

「カルヴィン様、お着替えをお手伝いいたしますよ。
お体が少々熱いですね。
パーティでお食事は召し上がりましたか?」

部屋で待機していたモレーの手を借りて正装を解く。楽な室内着に着替えると少し楽になった気がする。

「いや、酒のグラスに少し口を付けたくらいだ」

「それではスープでもお持ちしますね。それと熱冷ましのお薬もご用意いたします」

モレーが部屋を出ていき一人になると、カインは力尽きたようにベッドに倒れ込んだ。


「ふう」


体を横たえるとまるでベッドに沈んで行くような感覚。今まで立って歩いていたのが嘘のように体が重くだるかった。


サラとアベルは大丈夫だろうか。大きな失態を犯しはしないだろうか。
不甲斐ない己がもどかしい。
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