幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました
産まれてきた息子
 やがて季節は流れ、寒い、寒い真冬も終わりそうになった頃。

 沙也は病院で男の子を出産した。

 大きな声で泣く元気な男の子で、駆け付けた両親と明依に見守られて、沙也は穏やかな気持ちでその子を抱いた。

 名前は性別がわかったとき、すでに決めていた。

洋斗(ひろと)』。

 自分と清登の名前と同じ、さんずいが入る漢字。

 清登から名前をもらうのは悩んだのだけど、最終的にそう決めた。

 繋がりは完全に切ってしまいたくない。

 でも、少し遠いところに位置したい。

 その気持ちから『と』の漢字は変えた。

 両親も明依も「涼やかで素敵な名前」と褒めてくれた名前だ。
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