幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました
この先の道
「やっぱり俺は酷い男だよ。誰に対してもそうだ」

 あれから少し時間を置いて。

 改めて部屋の中、向き合って座ってから、清登はぽつんと言った。

 洋斗は寝室のベビーベッドで眠っていた。

 元々、母に預けていた時間は遊んでもらっていただろうから、お昼寝がなかったのだ。眠たい頃に当たる。

 あのあと、眠たそうな様子になって、でも眠れない様子だった。

 もちろん、知らない存在……まだ気を許していない清登が部屋にいるからだろう。

 沙也は清登に「少し落ち着いて寝かせてあげたいから」と説明し、寝室へ行って、洋斗を寝かしつけてきた。

 沙也と二人になれたら、洋斗は安心したようで、すんなり眠ってくれた。

 沙也はそっと部屋を出て、リビングで待っていてくれた清登に、再び向き合った次第。

 お茶を淹れて出したけれど、二人とも手を付けられなかった。

 ティールームのとき以上に、お茶どころではない。
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