幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました
日曜日のはじまり
 日曜日はすぐにやってきた。沙也は朝から綺麗に支度を整えて、洋斗の支度も整えて、マンションの前で待っていた。

「まーまぁ、ぶーぶー?」

 沙也の腕の中で、洋斗は聞いてくる。

「今日はぶーぶに乗ってお出掛けだからね」と言っておいたので、楽しみなのだろう。絵本でも車は好きだし、乗り物は基本的に好きであるようだ。

「そうだよ。大きいぶーぶ」

 緊張する気持ちがそれで少しほどけるように思いつつ、沙也はもう一度、洋斗に向かって言った。

 車に乗れるのは楽しみなようだが、洋斗はどうも、『今日は普段と違う』と感じているようだ。初めて着るような、少ししっかりした造りのシャツとズボンを着せられて、靴も履いてのお出掛けなのだから。
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