幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました
二人の誓い
 ティールームの同じ部屋でランチを摂って、食休み。

 そのあと、午後一時頃、黒スーツの男性が入ってきた。

「清登様。清様方がいらっしゃいました」

 そろそろ待ち合わせ時間だ、と清登に説明を受けていたので、支度は大体整っていた。

 清登付きの使用人という様子の彼に、清登は「わかった」と端的に答えた。

 最初に椅子を立ち、入り口へ向かって軽く彼と話をはじめた。

 表情はすでに引き締められている。

 沙也はそれを見ながら、最後の荷物まとめをして、自分も立ち上がった。

 洋斗にも「行くよ」と声をかけて促す。

 ランチのときに、もう聞いていた。

 沙也がプロポーズを受け入れてくれたら、午後は香々見家と顔合わせの予定だった、と。

 受け入れてすぐに家のひとたちと顔を合わせるのは緊張するけれど、早いほうがいいのはわかる。
< 282 / 358 >

この作品をシェア

pagetop