幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました
二人きりの誓い
 あれからすぐにホテルを出た。

 やはり目暮が迎えに来て、彼も穏やかに「おめでとうございます」と言ってくれた。

 車は沙也の家に直行し、沙也は家に帰ってすぐ、寝室で洋斗を寝かしつける。

 寝かしつけるという間もないほど、洋斗は即座に寝入ってしまった。

 帰路でもう、うとうとしていたのだ。

 今日は緊張や、子どもなりに気遣いをすることが多かった。

 外で過ごした時間が長かった以上に、ひょっとしたら産まれてきて一番くたびれる日だったかもしれないくらいだ。

「洋斗、すぐに寝ちゃったよ」

 十分も経たなかったくらいの早さで、沙也はリビングに戻ってきた。

 清登も驚いたようだったが、すぐに眉を下げた。

「そうか。相当くたびれたよな」

 優しいことを言ってくれる清登は、まだ半人前とはいえ、確かにパパだった。

 沙也は笑みになってしまい、頷いた。

「うん。でもやっぱり、洋斗がいてくれて良かった」

「疲れさせちゃったのはすまないけど、俺も同じように思うよ」
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