幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました
不穏な電話
 秋も本格的になり、外出時にはしっかりした上着が必要になる頃になった。

 式の支度も整ってきて、今はドレスの最終調整や、ブライダルエステ通いなどをしているところ。

 式は楽しみだった。

 なにしろ香々見家にお嫁入りする式なのだから、かしこまったものであるうえに、来賓も多い。

 緊張するのは確実だ。

 だがやはり、ウエディングドレスを着て、結婚を祝われるのだ。

 嬉しいし、楽しみという気持ちのほうが大きい。

 今日はその準備のひとつ、ブライダルエステの日。

 洋斗は久しぶりに明依に預かってもらった。

 ちょうど土曜日であることもあった。

 数日前、明依とメッセのやりとりをしていたときのこと。

 次のエステの日、清登は仕事だから両親に預けようと思っている、と話したところ、『じゃあ私が預かりたい! 久しぶりにひろくんに会いたい!』と明依から言ってくれたのだ。

 沙也としても、明依と久しぶりに過ごしてもらうのは良いことだと思った。

 それで洋斗を明依の家に連れて行き、預けてきた。

 洋斗も「久しぶりにめぇちゃんに会えるよ」と沙也が話したときから、楽しみにしていたようだ。
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