幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました
一番素敵な十日間
 それからの時間は、沙也にとっても同じ、特別な日々だった。

 週末はまた別のデートに向かった。

「今度は普通の恋人らしいデートがしたい」と言った清登に、沙也はくすっと笑って、「じゃあ遊園地とか、行く?」と提案した。

 それで、日本で一番大きいテーマパークへ向かう。

 アトラクションに乗ったり、ショーを見たり、美味しいものもたくさん食べて……。

 夜になってからおこなわれる、ライトアップが美しいショーは、沙也を心から感動させた。

 海に浮かべた船でキャラクターが踊り、光と水がきらきら輝く、美しいショー。

 清登がそっと身を寄せてきて、沙也の肩を抱いてくれた。

 沙也からも身を寄せて、彼の存在を全身で確かめる。

 たくさん買ったお土産を車に積み込んで、帰路に就いても寂しいことはなかった。

 また翌日、遊びに行こうということになっていたし、夜景が綺麗な中を、今日の想い出を話しながら車で走っていくのもわくわくした。

 たくさん歩いてくたびれたこともあり、沙也は途中でうとうとしてきてしまったけれど、清登が優しく言ってくれた。

「着いたら起こすから、寝ていいよ」
< 59 / 358 >

この作品をシェア

pagetop