忘れられない恋
-第2章-

永遠の誓い


数日後。


日が暮れた晩、

下のリビングで私の両親がなにやら話しをしていた。



私の父親である木栖正利《きすみ まさとし》は、
不動産の社長をしている。


今日は仕事が休みで、

妻で私のおかあさんである千里とのんびり会話をしていた。



「あの子、彼氏いるみたいよ」


不貞腐れるように、

千里はボソッと口を開いた。



「彼氏?へぇ〜結空に彼氏なんていたのか?気づかなかったよ」


少し驚きながらも、正利の目尻は垂れる。



「ええ。ずっと隠してたみたい。私達にバレないように……」 


嫌味っぽく聞こえる口調に優しさなどない。


千里は笑うことなく、目を細めた。



「……そうか。もう高校生なんだからほっといてやりなさい」


千里の態度とは裏腹に、

正利は優しい口調で言った。


正利は私を溺愛していて、

とても優しい父親だった。 



「なによ!高校生だから危ないのよ!もし、子どもでも作られたら……はあ」


千里は次第に口調が強くなり、

どんよりした空気を作っていた。


千里は私に冷たく、

幸せそうにする私を見るのが、

嫌だったのだろう。


私に対してやけに当たりが強くなっていく。



「まあ、そんな怒るなよ。君の考えも分からないことないが心配いらないよ」


正利は千里を落ち着かす。



「はい?心配だらけよ。勉強もせずに彼氏ばっかりで!何のために高校行かせてあげてると思ってるのよ!」



「まぁまあ、もう高校生なんだし、結空もしっかり考えるはずだよ」


正利は真面目な表情で言った。



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