忘れられない恋
別れと約束
5月、県予選。
昨年、先輩達が成し遂げれなかった県大会出場を達成しようと気合いを入れるバスケ部員。
前回は県予選一回戦敗退という不名誉な結果だったため、最低でも、それを超えるような結果がどうしても欲しかった。
体育館上のギャラリーには保護者や私達バスケ部女子メンバー、仁くんのファンクラブ(今年入った一年生たち)の姿があり、声援を力に変えながら、仁くん達男子部員は試合をしていた。
相手は一度も勝ったことがない中堅チーム。
弱小チームだった仁くん達が県大会出場を目指しているなんて、たくさん笑う者がいただろう。
それでも、笑われたっていい。
バカにされたっていい。
最後に笑うのは自分達だと自分達に言い聞かせ、自分達の可能性を信じていた。
試合の半分が終わり、なんと……
僅差で勝っている。
私達も必死に仁くん達を応援した。
キャプテンの仁くんは部員に力強く鼓舞し、チームを盛り上げる。
「いいか!3クォーター、4クォーターこのまま行くぞ!先輩達が見れなかった景色を俺達が見に行くぞ!いいな、行くぞーー!」
「おォーー!!」
部員達の目の色が変わる。
この時、
弱小チームだと思わせないほど、
チームは変わっていた。
仁くんや小田先輩が得点を量産し、終わってみれば点差をだいぶ付けての勝利。
バスケ部男子部員たちはギャラリーから拍手と喝采を受けていた。
次、勝てば県大会出場。
でも、分かっていた。
ここまでだと……