忘れられない恋
-第3章-
恋の終わり
仁くんが卒業してからというもの、何だか脱力感が半端なく、重力で押し潰されそうになるぐらい寂しさを覚えた。
3年生になった私にとって、今日から約束の日までの時間が長く感じる。
とにかく一日が長い。
授業なんてサボりたいくらい、私にはつまらないものだった。
学校生活って、こんなにもつまんないもんだっけ?
何か楽しいことないかな?
そうやって、見つけた楽しいこと。
それは、バイト。
私はよく学校をサボるようになり、バイトという楽しさを知ってしまう。
イタリアン料理店でほぼ毎日のように、働く私はいつも覚えることばっかり。
メニュー名やドリンクの作り方、簡単な盛り付け作業、注文やレジの操作など。
要領の悪い私にとって、適応するのに多少時間がかかったが、職場の人たちの温かさに私はいつも助けられた。
バイトに行く苦痛なんてものはなく、むしろ楽しくて活力が湧いてくる。
なんだか接客が向いているのかも?
お客さんと話すのが楽しくて仕方がなかった。
今の私にとって、バイトはなくてはならないもの。
だから、バイトに出逢えてよかったし、そのおかげで時の流れを早く感じれるようになった。
もう気づけば、秋になり肌寒くなる。