幼なじみの不器用な愛し方

幼なじみは仮にもプロです。

【明日空けといて】


そんなメッセージが送られてきたのは、6月に差し掛かる土曜日のお昼のこと。

結子とパフェを食べにきていたわたしは、長いスプーンを片手にメッセージを確認。

有斗がこんな風に改まって言ってくるのって珍しい。何かあるのかな。

明日は予定が何もなかったことをスケジュールアプリで確認してから、了解と短く返事を打った。




「おはよ」


翌日。朝一番。

……えぇ、それはもう、窓から差し込む朝日が目に痛い朝。


「起きろ、美月」


起き抜けで状況が把握できずにいるわたしの部屋に、有斗はなんの躊躇もなく足を踏み入れる。えーっと……?


「……アラーム、鳴ってないよね?」

「知らね。俺、今来たもん」


時間指定がなかったので、8時にかけたアラーム。

鳴ってない。絶対鳴ってない。

目を眇めつつ時計を確認すると、まだ7時30分にもなっていなかった。
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