【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部更新中】

久しぶりの国王陛下と王妃殿下


 ヴィルから陛下の言伝を聞き、翌日すぐに王宮へと向かう事になった。

 ドルレアン国の建国祭まで20日間もないという事もあって、スケジュール的にあまりのんびりしていられないのよね。


 馬車に揺られて王宮へ向かう道中、私はドルレアン国に行くに当たって、陛下にお願いしなければならない事があると考えていた。


 それはソフィアの事だ。

 王都での生活、とりわけ公爵家での生活に慣れてきたとは言え、彼女はまだ夜に一人で眠る事が出来ない。


 5歳だもの、早く離れて寝られるようにとは私も思っていなかったので、何も問題なく毎日一緒に眠っていた。

 私の子供たちだって下の子はまだまだ私と一緒に寝ていたし皆で川の字で寝ていた事もある……でも今回は一日や二日で帰って来られるわけではない。

 正味一週間くらいは滞在する事になると聞き、おそらくマリーやゼフも私やヴィルと共に来るので、そんな中に一人で置いていくのはさすがに出来ないなと思う。
 

 国賓として招かれているので共に連れて行けるかどうか分からないし、陛下に聞いてみよう。

 
 建国祭に一緒に出たいとかではないので、許可してもらえるといいのだけど。

 少しだけ不安な気持ちを抱えながら、馬車は王宮へ到着した。


 そして到着すると、そこにはすでにヴィルが待っていて、馬車を下りようとする私に手を差し伸べてエスコートしてくれる。

 こういう所作の美しさは本当に王子様なんだなってヒシヒシと感じるところね。

 
 動きに無駄がなく、嫌味もなく、日常的に出来ている感じがあるわ。


 そりゃブランカ達がときめいてしまうのも頷けるわね。


 こんなキラキラした王子様と自分が結婚する予定なんて未だに実感がわかないけど、前に感じていた嫌悪感は微塵もないし、自分だけに向けられる表情もさっきまでの私の不安をあっという間に払拭してくれる。
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