冷酷弁護士と契約結婚
涼介サイド
契約結婚を提案したものの、最初は一抹の不安もあった。いくら見合い避けとは言え、鈴音を自分のテリトリーに入れるとこに。


どうせコイツも施栓他の女たちと一緒。


いつ本性を現すかと様子を見ていても、一向に変化がなかった。明らかに俺に取り入ろうとしていた女たちとは違う。


生活費用としてブラックカードを渡したが、ブランド品やジュエリーを買いあさって散財している様子もなく、食費と日用品にしか使われていない。買い物もマンション下の高級スーパーでなく、少し歩いた所にある庶民的なスーパーを利用している。


「あっちのスーパーの方が少し経済的だし、品数も多いので」


今まで彼女から何かをねだられたことはたった1回だけ。


「このお部屋にお花を飾りたいのですが。あと観葉植物もいいですか?」


先日会社からの帰り道、表通りに可愛らしいフラワーショップを見つけたと嬉しそうに話してくれた。




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