お菓子の国の王子様〜指切りした約束から婚約まで〜花村三姉妹   美愛と雅の物語
1昔話の夢

美愛サイド

美愛(みあ)サイド





むかしむかし、5歳の女の子、美愛ちゃんがいました。
ある日、美愛ちゃんは父さま、母さま、姉さまと一緒に散歩をしていると、茜色の空に美しい蝶を見つけました。

蝶はふわふわと夕日に向かって飛んでいき、美愛ちゃんは夢中になってその蝶を追いかけました。しばらくして、見知らぬ小さな公園に着くと、一緒にいたはずの家族がいないことに気づきました。

急に心細くなった美愛ちゃんは、泣き出してしまいました。


「どうしたの? ケガでもしているの?」


ちょうどその時、学生服を着たお兄さんが話しかけてくれました。


「.....っ、と、父さまと母さまと姉さまが
いないの......I want my daddy. I wanna go home」

「えーと、お父さんたちとはぐれてしまって、おうちに帰りたいのか……ねぇ、可愛いお姫様、君の名前は?」


「ミャー」

「えっ、猫? とりあえず、今からお巡りさんに電話して助けてもらおうね!」
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