コンネリシャス王国の  恋物語

もう離れない

そして今ルルはチルチルでチリルとセレスと向き合っている。

ジュオン王子も護衛と称して一緒に来ているのだ。

セレスは近衛騎士としてコンネリシェス王国に帰ることを望んでいるが、チリルはこのままチルチルをチャラチャラのバンアロア店として運営していきたいと言う希望を持っている。

でも、女性一人でここに住むのは心配だ。

チリルは若いお針子の一人ルーシーに住み込みで家事などもしてくれないだろうかと提案してみたらしく、お針子と言っても見習いなのでそんなに給料を取れるわけではないが、家事も負担するならお給料も上がるので喜んでいると言う。

ルーシーは孤児院の出身で今までは孤児院から通っていたのだが、そろそろ孤児院も出なければならず住み込みで雇ってもらえるならうれしいと言っているそうだ。

チリルはお料理が壊滅的にできない。

ルルが居なくなってからは、近所の人に夕食だけ作りに来てもらっていたらしいが、セレスが戻ってからはセレスが何とか食事を作っていたらしい。

セレスはルルの料理を手伝っていたりしたので、見よう見まねで何とか食べられるものを作っていたらしい。

ルル達はルーシーの出身の孤児院に時々慰問に行っていた。

そこでのバザーに、大学芋やさつまいもを入れた蒸しパンなどを出して孤児院の収入にも協力していた。
そして、ルルはスイーツ作りも教えていた。

一人の女の子は今ではカフェでスイーツ作りの助手として働いている。

また、手の器用なルーシーにはマスクの作り方を教えて沢山作ってもらった。

その縁でチルチルのお針子の助手として最近来てもらうようになったのだ。

チリルは将来孤児院で女の子には裁縫や刺繍を教えるようにしたいと思っているようだ。

将来のチルチル専門のお針子を養成しようとしている。

将来を見据えたチリルの構想にルルは感心した。チリルは商売人の素質がある。

立派な厨房はもったいないがスイーツが作れる人を見つけるまではスイーツコーナーとイートインコーナーは閉鎖して、雑貨などの展示コーナーにするそうだ。

チリルは女性が普段気軽に着られるようなおしゃれな服や可愛いエプロンなども置きたいと思っているようだ。
そのデザインはルルの母親のテイアムにお願いしたいと言った。
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