パーフェクト・フィグ
#6."優しいんだね、君…"
その日から、すみれは事あるごとに
雅俊の家に来るようになった。
正確には、
栄養を取りに来るようになった。
雅俊は、段々とすみれの日常を知り始めていた。
定期の手術がある日と、
外来で終わる日は、
ほとんど必ず顔を出してくる。
ようは、緊急手術がない日はほとんど毎日だ。
カレーやからあげなどの鉄板メニューだと、
いつもの2倍喜ぶ。
その度に雅俊は
「子どもか」
と、不服だが突っ込んでしまっていた。
「そういえば、小児心臓の手術に
ほぼ毎回入れられてるのは、
お前の仕業か?」
雅俊はこれまで以上に
小児心臓の手術、
つまりはすみれが執刀する手術に
振られるようになった。