『あなたを愛することはございません』と申し上げましたが、家族愛は不滅ですわ!

4 可愛らしい子供たちですわ!

「お子たち〜! 新しいお継母様(おかあさま)ですわよ〜〜〜!」

 柱に隠れている陰にキャロラインが手を伸ばすと、

 ――ぴょこっ!

 ふわわの金色の髪と、ぱっちりお目々が柱から出てきて、チラリと彼女を見た。

「もうっ! なにやってるのよ!」

「わっ! おねえさま、いたいっ!」

 しかし次の瞬間、それは柱の陰に再び引っ込んだ。

「おいで〜! お継母様と初めましてのご挨拶をしましょう〜!」

 キャロラインは猫なで声で呼び掛ける。
 少しすると、

 ――ぴょこっ!

「あっ! レックス! でないでっていったじゃない!」

「でも、ごあいさつは、しなきゃダメなんだよ!」

 小さな男の子が柱の陰から出てきた。
 彼はホワイトブロンドの猫っ毛に、透き通ったアイスブルーの瞳で、まるで天使のような神秘的な姿をしていた。

「でたらダメぇっ!!」

 もう一人の子供が、勢いよく飛び出てくる。彼女も髪と瞳の色が彼と同じで――それはハロルドとも完全に同じ色合いだった。

(あら〜っ! なんて可愛らしい子たちなのかしら!)

 キャロラインは胸をキュンキュンさせながら、愛おしそうに二人の子供を見つめる。
 男の子のほうは興味津々に彼女を見て、女の子のほうがツンと口を尖らせて睨み付けていた。
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