『あなたを愛することはございません』と申し上げましたが、家族愛は不滅ですわ!
22 お夜会へ行きますわ!②
「はっ。どの面下げて夜会に参加したのだか」
キャロラインの胸がドキリと跳ねる。
公爵夫妻に声を掛けたのは、スティーヴン・グローヴァー王太子と、その恋人のナタリー・ピーチ男爵令嬢だったのだ。
今日は二人の婚約のお披露目の場でもあった。
どんな手を使ったのか知らないが、王太子は身分の低い恋人と何とか婚約まで漕ぎ着けたようだ。
「よくここに来られたな」
「王太子殿下、この度はご婚約おめでとうございます」
まずハロルドが一歩前へ出て、恭しく挨拶をした。あまり評判のよろしくない王太子に彼としても何やら思うことはあるものの、王族への挨拶は臣下の義務なのだ。
「素晴らしい令嬢と婚約できて良かったよ。前の婚約者はどうしようもない女だったからな」
スティーヴンは冷やかすような視線をキャロラインに送りながら鼻で笑った。隣りにいるナタリーも馬鹿にするようにくすくすと笑っている。
「まだ公爵夫人なのだな。もう傷物になったと思ったのに」
「……」
キャロラインの胸がドキリと跳ねる。
公爵夫妻に声を掛けたのは、スティーヴン・グローヴァー王太子と、その恋人のナタリー・ピーチ男爵令嬢だったのだ。
今日は二人の婚約のお披露目の場でもあった。
どんな手を使ったのか知らないが、王太子は身分の低い恋人と何とか婚約まで漕ぎ着けたようだ。
「よくここに来られたな」
「王太子殿下、この度はご婚約おめでとうございます」
まずハロルドが一歩前へ出て、恭しく挨拶をした。あまり評判のよろしくない王太子に彼としても何やら思うことはあるものの、王族への挨拶は臣下の義務なのだ。
「素晴らしい令嬢と婚約できて良かったよ。前の婚約者はどうしようもない女だったからな」
スティーヴンは冷やかすような視線をキャロラインに送りながら鼻で笑った。隣りにいるナタリーも馬鹿にするようにくすくすと笑っている。
「まだ公爵夫人なのだな。もう傷物になったと思ったのに」
「……」