ハイスペ上司の好きなひと
引っ越し


さすがになんの報告も無しに出て行きますなんて失礼にも程があるよなと冷静になったところで漸く飛鳥への連絡を疎かにしていた事に気付き、お詫びがてらの惣菜をデパ地下で買い日曜日の夕方に帰宅した。

不動産屋の書類をカバンの中に隠し帰宅すれば、リビングの方から飛鳥が顔を出してきた。


「古賀、おかえり」
「あ…ただいま戻りました」
「お泊まり会は楽しかったか?」
「はい。まあ…」


母からの電話の後すぐ真由菜の家に戻れば、酔ってもいないのに出来上がった真由菜が待ち構えていた。

勇気を出して連絡してみたところ、思いの外あっさりと今度会うことが決まったらしい。

ここからはもう彼女の頑張り次第というか、相性次第みたいなところがあるのであとは見守るしかない。

のだが、まあ女が集まると当然恋愛話で盛り上がる。アルコールが入れば尚更。

昨晩はいつもよりか幾分棘の減った真由菜に酒の勢いで根掘り葉掘り聞き、同じくらい自分の事も話してしまった。

勿論居候の事も。


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