私は今日も、そらを見上げる。
雨虹
そして、現在に至る。

頬杖をつきながら、蒼空を横目で見る。

残酷ないじめと、途切れた絆。これが、私が人間不信になったきっかけだった。

今でもまだ、我慢して溜め込んで、現実逃避してしまうところは直っていない。

蒼空とは、特に「同じ高校に行こう」とかいう話はしていなかった。本当にたまたま、同じ高校になって、同じクラスになっただけ。

たまたまじゃなくて、奇跡的にと言うべきか。

同じクラスになってしまったから、蒼空が当たり前のように他の人と話しているのを見ると、なんとも言えない感情になった。辛いとか、苦しいほどではないけれど、どことなく寂しさを感じるような。

中学生のときの思い出はなんだったんだろうって。なんで急に話さなくなったんだろうって。

友情とか愛情は、積み木と似ている。積み上げるのには時間がかかるのに、崩れるのは束の間。何時間もかけて頑張って作っても、壊れるのは一秒たりともかからない。

わざわざクラスに来なくても、連絡手段だってあったはずなのに。

とはいえ、だったらまずは自分が行動するべきだった。行動力がないというのを言い訳に、蒼空の優しさに甘えていただけだった。

もしかして、蒼空は私のこういうところが不快で距離を取っていったのかな...。やっぱり私って、嫌われやすい性格なのか。心の中でぽつりと、そう呟く。
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