花言葉はピュア ー敏腕社長は百合のような彼女を守り抜くー

貴方は誰?


環のアパートに太一の高校の同級生だと名乗る女性が訪ねてきた。

よく晴れた日の午後、その陽気な女性ははっきりとした口調で名を名乗った。

「私は太一君と高3の時に同じクラスだった野村真奈美(のむらまなみ)といいます。ご挨拶が遅くなってごめんなさい。今日はクラスを代表して来ました。」

玄関先で菓子折を差し出しながら、真奈美は白い歯を見せて笑いながら言った。

恰幅が良く、面倒見のよさそうな顔は親しみやすかった。

きっと高校時代はクラスのリーダー的な存在だったのではないか、と環は思った。

環は葉山の時と同じように座布団を促し、熱い茶を出した。

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